九谷焼伝統技法の赤絵に新しい風を吹き込む。絵付師、河端理恵子の世界とは!?
2017/01/05
石川県の伝統工芸である九谷焼、その絵付けとして赤絵という伝統技法があります。
赤を基調とし繊細な線で表現するこの技法の継承者、絵付師-河端理恵子をご紹介。
陶芸家または焼き物の絵付師と聞けばどんな人を想像するでしょうか。
もの静かで繊細で人を寄せ付けない、孤高の職人。
もし、そんな堅い人を想像しているなら彼女に会った時に拍子抜けするでしょう。だって、全く正反対と言える人柄だから。そんな彼女について知ればあなたも彼女とその作品に興味を持ち始めることでしょう。
1982年生まれ。石川県小松市を地元とし、普通高校を卒業後に農業短大へ進み食品の生産を学ぶも就職は近所の車ディーラーの窓口。数年務めた後に今度は短大での経験を活かしてビール会社の研究所に入る。実家暮らしの生活に飽きたのか、その後研究所を辞めて新潟のスキー場、沖縄の海での住み込みのバイト生活を経て最終的に東京へ上京してOL生活。ここまでの経歴だけでも忙しいものだがこれで落ち着くことなく更に続く。次は日本を脱出してニュージーランドへのワーキングホリデーを1年。満足したのたか結局また実家暮らしに戻り居酒屋とサーフショップ店のバイト生活の後、何を思ったか地元伝統工芸である九谷焼の研修所に入所。周りからはいつまで持つやらと思われていたにも関わらず本人は意外とはまったらしくそのままその道を進み続け現在に至る。
研修所入所後、九谷焼の様々な技法や分野に触れていく中で赤絵に惹かれその道を進むことを決心する。卒業後は石川県指定無形文化財である福島武山氏に師事し、本格的に作品制作に取り組み始めその作品は複数のコンテストで入賞を果たす。その影響により少しづつ実力を認められるようになり、伝統工芸展や仲間とのグループ展にて東京の伊勢丹、三越、和光などで作品展示や実演を精力的におこない、雑誌VOGUE JAPANの「進化するジャパンデザイン」の一点としても紹介された。
伝統工芸といえば古来古くから伝わる由緒ある芸術であり、多くの場合その決まった型や方法、教えからは大きく外れることはできないものである。九谷焼もそんな伝統工芸ではあるが彼女の自由奔放な性格では型にとどまることなどできず、独自のアイデアと奇抜な発想から今までにはない新たな芸術としてその分野を成長させおり、今後の動向が気になる芸術家の一人であることは間違いないだろう。