持ち家からシェアハウスへ、その違いを比較! ~所有する時代から共有する時代へ~
ここ数年、「シェアハウス」という居住スタイルが広く知られるようになりました。
シェアハウスとは、自分の個室以外のリビングやキッチン、お風呂などを共有する共同生活スタイルで、光熱費やインターネット代が家賃に入っているなどお得な条件も見られることから、社会人のなかにも一度は入居を考えている人は多いようです。
シェアハウスには、少人数、女性限定、100人規模の男女共同等、色々な形態のシェアハウスがありますが、中でも注目されてきているのが、シニアのシェアハウスです。
今回は、持ち家からシェアハウスへ居住形態を変える場合の、メリットやデメリットについて纏めてご紹介します。
☑ シニアのシェアハウスが増加傾向にある理由
一昔前なら老後は子供達が面倒を見てくれるのが一般的でしたが、少子化や核家族化が進んだ現代では難しく、老後に孤独になってしまう人も増えてきました。
シェアハウスと言えば、主に学生などの若い人が利用するイメージが強いですが、
近年は、シェアハウスのスタイルも多様化し、高齢者向けのシェアハウスも登場しています。特に、地方では空き家を活用させてこのシェアハウスを作ることも多く、今後はさらにシェアハウスが増えると言われています。
☑ メリット①孤独を防ぐことができる
老後にシェアハウスに住む一番のメリットは、複数人で生活をするので寂しさを感じないことです。近年は、老後も独身または配偶者が亡くなってしまい独り身に
なってしまう人も多く、孤独死は社会問題となっています。
シェアハウスはそんな老後の孤独に対する不安を解消するのにバッチリ噛み合ったものです。
特に、シェアハウスで本当に気の合う人と一緒になれば、精神的にも悩みや不満が
なくなるので、心の健康の維持に非常に役立つ可能性もあります。
☑ メリット②経済的負担が小さい
シェアハウスでは光熱費やインターネット代が家賃に組み込まれている場合が多いため、都心であっても一人暮らしにくらべ月々の生活費を安く抑えることができるようです。家賃も平均して月額5万円ほどの物件も数多いです。
また、オープニングメンバーで入居すれば、途中から入るのにくらべてさらに家賃が安い場合も。住みたい地域に新しくシェアハウスができるという噂を聞きつけたら、チャンスかもしれません。
一人暮らしの家具・家電を一から揃え始めると軽く10万円は超えるでしょうが、シェアハウスの場合、個室にはベッドやカーテン、収納など最低限の家具が付いていることが多く、冷蔵庫や洗濯機といった大型家電も揃っています。細かいところで言えば、フライパンといったキッチン用具やバスマットなども買わなくてよく、トランク1つで入居し、退去時も荷物の処理を考えなくて済むのは非常に楽です。
☑ メリット③万が一の時にも安心
風邪をひいて寝込んでいる時に薬や食べ物などを差し入れてくれたり、工具が必要になった時に貸し借りができたりなど、隣人がいるからこその温かみがあります。
24時間体制の管理人もいるところが殆どで、万が一の緊急事態の時でも医療機関に対応してもらえるのもシェアハウスの利点です。
よく初対面の人と生活するのは不安と思う人も多いですが、高齢者向けのシェアハウスの場合、見守りサービスのスタッフが週に数回来ることがあります。
その見守りスタッフが一緒に同席してお互いに話し合ったり、生活のルールを
確認するなどして、初対面の人でも交流がスムーズに進むようサポートを行ってくれます。よくある安否確認だけでなく生活面でもサポートやアドバイスを受けられるため、初めての方でも安心して利用できることが多いです。
☑ デメリット①マナーや社交性
不特定多数の人が集まって共同生活をするわけですから、気の合う人ばかりというわけにはいきません。苦手なタイプの人と部屋が近かったりすると、それだけで顔を合わせる機会も増えそうです。入居の際は、いろんな人がいるという意識を持っていったほうが賢明です。
人によってはなれない生活環境で気を使ってしまい落ち着かないといったこともあるでしょう。
☑ デメリット②プライバシーの保護
孤独が寂しい、とは言え、たまには1人になりたい時もあるでしょう。でも、お風呂に行こうと自室を出た瞬間、ほかの住人にバッタリ、なんてこともあります。
プライバシーが守られなかったり騒音がうるさいなどといった生活における不満を感じる可能性もないとは言えません。
☑ デメリット③シャワータイムがかぶる
一軒家型シェアハウスの場合、お風呂場は1つだけのことがほとんどです。就寝前の23時前後や出勤前の朝の時間は込み合うことがあります。予約表を作ったり、一度の使用時間を決めるなどして対策をとっているそうですが、お風呂好きにとってはゆっくり湯船に浸かれない場合可能性もあります。しかし、逆に生活にメリハリがついていいという意見もあるようです。
☑ まとめ
老後の孤独や不安感をなくすために、シェアハウスを利用することは老後の過ごし方の選択肢の1つに十分入ると思います。
しかし、シェアハウスを選ぶにあたっては、思わぬトラブルや不満が出てくる恐れもあります。そして、シェアハウスはあくまでも家であり、介護施設ではありません。
メリット、デメリットをよく理解した上で、介護は必要ないけれど老後に孤独になるのが嫌で、積極的に他者と交流することを好む人であるならば老後にシェアハウスを利用することも検討してみてはどうでしょうか。