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クラフトビールの魅力とは!? 海外と日本の比較、そしてその種類を紹介

 

日本国内でも至る所で各国の料理やお酒が手軽に堪能できる時代になりましたが、クラフトビール をご存知でしょうか?

ビールと言っても実は数え切れないほどの種類があり、中でも最近注目を浴びているのがクラフトビールです。

今回は、このクラフトビールについてご紹介します。

 

☑ クラフトビールとは?

クラフトビールとは、英語でCraft Beer「職人技のビール」、「手作りのビール」などを意味する表現です。大手のビール会社が量産するビールと対比して用いられる概念で、小規模なビール醸造所でビール職人が精魂込めて造っているビールのことです。

因みに、小規模なビール工房のことは、マイクロ ブルワリー(Micro Brewery)と呼びます。

 

☑ ヨーロッパにおけるクラフトビール

古くからビール作りが盛んなイギリスやドイツなどのヨーロッパでは、地域独特の様々なビールが飲まれていましたが、現在のクラフトビールの世界的な流行のルーツは1960年代のアメリカにあります。

当時は、大手のビールメーカーが作る量産型のビールよりも、味わい深い伝統的なヨーロッパのビールを作るべきだという考え方がありました。

さらに、自然回帰運動、自家醸造が解禁となったことなどの背景もあり、全米に小規模醸造所を作る動きが広まり、ヨーロッパの伝統的なビールの製法をアメリカ流に解釈して進化させるというやり方で「アメリカン・クラフトビール」と呼べるものが発展し、それが、ヨーロッパのようなビール大国にも、日本のようなビール文化を持たない国にも広がっていきました。

 

☑ アメリカ合衆国におけるクラフトビール

アメリカ合衆国におけるマイクロブルワリーは、クラフト・ブルワリー (craft brewery) を 「小規模、独立、伝統的」と定義しています。

具体的には、年間生産量が600万バレル(約70万キロリットル)以下、自身がクラフト・ブルワーではない他の酒類製造業者の支配する資本が25%未満、伝統的手法に革新を盛り込んだ原料と発酵技法を用いることがクラフト・ブルワリーの条件とされています。

その製造にあたっては伝統的な原料、手法が尊重されながらも、併合される添加物によって様々な風味などが工夫され、多様な製品が生まれることが特徴です。

 

☑ 日本におけるクラフトビール

日本では、1994年の酒税法改正によってビールの最低製造数量基準が2,000キロリットルから60キロリットルに引き下げられ、全国各地にマイクロブルワリーに相当する小規模なビール醸造会社が登場しました。

それらが一般的に「地ビール」と総称されるようになり、1994年当時の日本では、日本酒を造っていた会社が、新規事業としてビール製造を始めたり、ビールとはそれまでまったく関係のなかった会社が、ビール製造事業に新規参入するケースも見られました。たとえば、建設・不動産会社・観光会社などが、いわゆるご当地ビール(お土産)ビールを生産し、その味わいや品質のレベルはまちまちでした。

当初のブームは2003年頃には終息し、地ビール会社の数は200社ほどに落ち着きましたが、以降は「地ビール」に代えて、「小規模なビール醸造所でビール職人が精魂込めて造っているビール」、「品質を重視して、ビール職人が手塩にかけて造るビール」といった含意で「クラフトビール」をキーワードとし、小規模ビール生産者のビールを市場に送り出す取り組みが拡大し、新たにクラフトビール市場が成長し、2000年代初頭に入って再び「クラフトビール」ブームが巻き起こりました。

 

☑ 日本ではクラフトビールでなくとも、アメリカではクラフトビールになる?

アメリカ合衆国におけるブルワーズ・アソシエーションの定義は、前述したクラフトビールの定義基準の違い等により、そのままでは日本のブルワリーには当てはまらないため、日本では、クラフト・ブルワリーとはみなされないオリオンビールも、ブルワーズ・アソシエーションの定義における規模の条件は満たすことになります。

また、地ビールの中には、黄桜酒造の「京都麦酒」、木内酒造の「常陸野ネストビール」など大小の日本酒メーカーが生産している例や、日本酒メーカーや大手ビール会社が出資している例も少なからずあり、事業の資本的独立が重視されているわけではありません。

 

☑ 100種類以上もの多様性のあるクラフトビール

クラフトビールの良さは、美味しいビールであるとともに、その多様性がとてつもない魅力です。

日本の大手4大メーカーのビールは、もちろんとても素晴らしくおいしいビールです。

しかし、大手のビールには無くてクラフトビールにあるのは、その種類の多さです。

実際のビールのスタイルは100種類以上にも及ぶのですが、そのうち日本の大手ビールメーカーが作っているのは3~4種類ほどと、とても少ないのです。

大手メーカーが造るビールが苦手な方でも美味しく飲めるビールが、クラフトビールの世界には必ずあるのです。

 

代表的クラフトビールTop7

多種類のクラフトビールでどれを選択していいか迷ってしまうこともるはずですが、まずはこの7種類のビールを抑えておけば、安心でしょう。

 

1.ピルスナー (Pilsner)

日本の大手ビールが造っている黄金色のビールがピルスナースタイルです。(スーパードライ、一番搾り、エビス、プレミアムモルツ等)

ホップの香りが程よく、喉越しが爽快で、苦みのキレもよく、程よく冷えたピルスナーが最適です。他のビールに比べるとやや軽いテイストです。

 

2.ペールエール (Pale Ale)

ピルスナーに比べると、ホップの香りもモルトのしっかり感もより強くなっています。ピルスナーを飲み慣れた人が飲むと、「濃い」と感じるでしょう。

ピルスナーが好きな人なら、次のステップとして、ペールエールを飲んでみるのがクラフトビールへの入門として王道かもしれません。

 

3.IPA(アイピーエー)(India Pale Ale )

現在、日本でもっとも人気があるのがこのIPAです。ペールエールを更に強化したビールで、香りは柑橘系(グレープフルーツ、オレンジなど)のものが多く、苦みがあります。しかし、この苦みが癖になる人も多いようです。

 

4.ヴァイツェン (Weizen)

小麦から作られたビールで、色はやや不透明です。これは、小麦由来のタンパク質によるものなので、心配しなくて大丈夫です。

香りはフルーティで、南国のフルーツ(バナナ、マンゴーなど)系の香りがします。苦みはほとんど無く、ホップの香りも強くはありません。小麦本来の旨みを感じます。

フルーティな香りと苦みの無さで、ヴァイツェンしか飲まないというファンもいるほどの特徴的なスタイルのビールです。

大手ビールメーカーのピルスナーが苦手だという人でも、ヴァイツェンであれば飲める、という人もいます。

 

5.フルーツビール (Fruit Beer)

その名の通り、フルーツ(果実)を麦汁(ビールができる前の液体)に漬け込んだり、果汁を加えて造るビールで、フルーツの香りがビール本来の香りと幾重にも重なりあった美味しいビールです。

味は、加えたフルーツによってバラエティに富んでいて、リンゴ、桃、イチゴ、梨、フランボワーズなどがあります。

 

6.スタウト (Stout)

いわゆる「黒い色のビール」ですが、その中でもスッキリとドライで飲みやすいものです。黒いから濃いだろうと考えがちですが、実は苦みも少なく、むしろIPA のほうがよほど苦みがあります。

スタウトで有名なものに、ギネスがありますが、ギネスの缶ビールには独特の仕掛けがあり、泡がとってもクリーミーで甘く感じます。

 

7.バーレーワイン (Barley Wine)

「ワイン」という名称がついていますが、あくまでビールです。スタイルとしては、高アルコール(12%程)で、多くは熟成されてから出荷されます。

味わいは、ビールとは思えないカラメルのような熟成香があってとても濃厚です。クラフトビールを飲みに行った時、締めで飲むことが多いビールです。

 

☑ まとめ

クラフトビールと一言でまとめても、その製造方法や種類は奥深く様々です。ビールが苦手だと思っていた人も、クラフトビールに挑戦してみることで、新たな世界が広がるかもしれません。

100種類以上もある中から、自分の好みのビールを見つけていくのも、新たな楽しみの一つとなるかもしれませんので、機会があれば是非試してみてください。

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