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電気代“0円”の生活は可能なのか!? オフグリッドライフを知る

 

水道・電気・ガスと、あらゆるエネルギーが身の回りに溢れるようになった現代ですが、この時代の流れとは逆に、太陽光発電や自家発電に頼る生活「オフグリッドライフ」が見直されつつあります。

今回は、オフグリッドについてご紹介いたします。

 

☑ オフグリッドとは?

オフグリットとは、電線を伝って電力会社から家などに送られる電力網と繋がっていない状態のことです。

グリッドとは送電線のことで、そのグリッドと繋がっていないという意味からオフグリッドという言葉が生まれました。

たとえば、送電線につながっていない太陽光発電システムは、オフグリッドソーラーと呼ばれます。

通常の太陽光発電システムの場合、発電した電力を電力会社などに売電するため送電線と繋がっていますが、このオフグリッドソーラーは、道路標識の電光掲示板など自前で使う電力のみを発電する設備として活用されています。

 

☑ オフグリッド生活とは?

電力会社から供給される電力を一切使わず、自分たちで発電した電力のみを使って暮らす生活スタイルを、オフグリッド生活やオフグリッドライフと呼ぶことが定着しつつあります。

オフグリッド生活を行う場合、日常生活を送る上で必要となる電力は、太陽光発電などの仕組みを導入して自分で発電する必要あるため、導入コストはとても高くなります。

しかし、電力会社に払う電気代はゼロとなり、電力会社に依存しない生活を送れるということで、2011年に起こった福島第一原子力発電事故以降、オフグリッド生活を実践に移す人が増えてきています。

 

☑ オフグリッド生活を送る人達

100%自家発電の家に住むオフグリッド生活を送る人たちがどのような生活を送っているのか、彼らが実際に感じていることや、どのような装置があればオフグリッド生活を送れるのかを、実例を挙げていきます。

Aさん。

東日本大震災をきっかけに、屋根の上の太陽光パネル8枚(2kw/hを発電)と再生鉛バッテリーで蓄電(最大27kwhを蓄電)をしてすべての電気をまかなっています。

Aさんの1日の消費電量は3kwhで、日本の一般的な世帯の約1/3です。

オフグリッドのモットーは「無理せず楽しく、みんなと同じように暮らす」ことで、太陽光パネル発電の電気の使い方など、おしゃれなナチュラルライフを楽しんでいるとのことです。

 

Bさん。

2012年末に岡山に移住し、2013年2月に自宅の電線をカットしました。

晴れの日、雨の日、それぞれの電気の使い方、発電状況を見ながら、オフグリッドの楽しさ、大変さも感じならも、これまでの電気生活の自給自足を実証されています。

 

Cさん。

2012年9月に電力会社との契約をやめ、賃貸アパートのベランダにソーラー発電機を設以降、電力自給生活を続けています。約1年かけてアンペア数を減らしていき、月800円代まで節電し、それをきっかけにオフグリッド生活を始めました。

公団のベランダは狭く生活に十分足りるほどパネルを立てられないことから、冷蔵庫とテレビはなしの生活にしました。後悔したこともあったそうですが、電気が常に足りない生活ながら、エアロバイク発電など、自然と暮らす生活を楽しんでいます。

 

Dさん。

坂口恭平さん「独立国家のつくりかた」のモバイルハウスにインスピレーションを得て、自ら家を建てたオフグリッド男子です。

製作日数約20日、材料費69,800円のモバイルハウスは動画で作り方も公開されています。

コンクリートの固定された基礎がないことから住宅ではなく、税金もかからないそうです。太陽光パネルで発電しているので、電気代ももちろんかかりません。

 

Eさん。

2014年に千葉県に土地を購入し、35㎡の中古のトレーラーハウスに家族4人で完全オフグリッド生活を送ることを目指していますが、今はまだ電力量を減らしつつ様子をみる準備段階だそうです。分母が大きい状態でオフグリッドにすると設備投資にお金がかかってしまうからというのも、オフグリッドを学べるところだそうです。

 

☑ オフグリッド生活を成功させるためには?

前述5名の例を挙げてみても、突然オフグリッドにするのではなく、普段から使用電気量を気にして、少しずつ減らしていくこと、無理しないことが大切なようです。

いきなりは難しいので、たとえば太陽光パネルを作るワークショップに参加してみたり、ソーラーチャージャーを使って、スマートフォンを充電したり、ラジオを聞いたり、太陽の光があるうちは電気をなるべくつけないようにしたり、そんなほんの小さな心がけが大切です。限りある資源を大切に使い、ナチュラルライフを楽しみましょう。

また、自然エネルギーに頼るだけではなく、天気に関係なく人力で発電できる「エアロバイク」を利用すれば、悪天候が続いても自転車をこげば発電できるようになります。これは、特に冬に重宝されています。

☑ 非家電アイデア

  • 素焼きの植木鉢と気化熱を利用した「非電化冷蔵庫」

大きさの違う素焼きの植木鉢の底の穴を防水テープでふさぎ、重ねた鉢の間に砂を詰め、水を注いで砂を湿らせしばらくすると、電気や氷がなくても、湿った砂の気化熱によって小さな鉢の中が冷たくなります。

これは、アフリカなど乾燥した暑い地域で実用されている方法でもあります。

 

  • 発泡スチロールBOX

料理の入った鍋を熱いうちに入れ、発泡スチロールにフタをして布をかぶせておけば、2~3時間たっても温かい料理が保てます。

また、生煮え状態で火からおろした煮物の鍋をこれに入れて置けば、数時間後にはほっこり煮え上がり、ガス代の節約にもなります。

発泡スチロールが熱で溶けないよう、鍋の下には鍋敷きを置いたり、タオルなどで鍋をくるんでおけば、さらに保温が効き、より一層効果が得られます。

 

  • 「ソーラーボックス」

箱の内側にアルミシートを敷き、黒く塗ったペットボトルや鍋などを入れて日が当たる場所に置けば、クーラーボックスならぬ「ソーラーボックス」として、温水づくりや調理にも使え、節約になります。

また、箱の中に光が集まるようアルミや金属製の反射板を差し込んで箱の底に鍋やフライパンを置けば、そこは太陽熱で高温になり、調理も可能です。

 

☑ まとめ

直ぐに全てが思い通りになる、とまでは言い切れないオフグリッド生活ですが、オフグリッド生活を送っている人達は、其々難点を抱えながらも、最終的には現状に満足している様子が伺えますね。

少しでも興味のある方は、日常生活で少しでもできることオフグリット生活を始めてみると、これまでの便利すぎた生活を見直す良いきっかけにはなるのではないでしょうか?

 

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