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食材を変身させる調理法と調味料。美味しく頂く!

調味料を使用し、食材を調理して食べるのは人間だけです。
肉一つをとっても、国が変われば様々な調味料、調理方法により、その出来上がりは様々な種類があります。
そこで、今回は、調理方法や調味料についてご紹介します。

 

 

☑ 「さしすせそ」の調味料

日本料理には、味付けの基本となる「さしすせそ」の5つの調味料が存在しています。「さ」が砂糖、「し」が塩、「す」が食酢、「せ」が醤油、「そ」が味噌ですが、日本料理はこれら5つの調味料を上手く“組み合わせる”ことによって、美味しく作ることが出来ます。
まず初めに、砂糖は「甘味」と「コク」を持っています。次に塩は「塩味」と「旨み」を持ちます。続いて食酢は「酸味」と「旨み」を持っています。そして、醤油ですが、これは「旨み」と「コク」に「少しの塩気」、そして特有の「風味」を持っています。最後に味噌は、強い「旨み」と特有の「風味」を持ち合わせています。

 

☑ 海外の調味料

日本の調味料の他に、海外では、香辛料(スパイス)やハーブを取り入れた調理が多く見られます。香辛料を基本的な機能により分類すると、以下のようになります。
◆ 香りをつける (香味料)
クローブ、ミント、タイム、セージなど
◆ 辛味をつける (辛味料)
コショウ、唐辛子、わさび、からしなど
◆ 色をつける (苦味料)
サフラン、パプリカ、ウコン、クチナシなど
◆ 臭みを消す
ニンニク、ローズマリー、セージ、タイムなど

ほとんどの香辛料は、植物の実や種子や球根そのものや、それらを乾燥させたもの、乾燥の後に細かくしたり粉にしたもので、たいていは少量で強い効果を持っています。香辛料の味や効能を特徴づける成分の多くはアルカロイドという植物塩基です。

 

☑ 調理方法

調理方法を分類すると、主に、煮る、焼く、炒める、揚げる、蒸す、の5つの方法に分かれますが、その内容は下記の通りです。
●煮る
煮汁の中に食材を入れて加熱する調理法のことで、野菜類から肉類まで、幅広い食材を調理するのに用いられます。
「煮る」料理は、食材を柔らかくしながら味を染み込ませ、その旨みを煮汁に染み出させる調理法です。
●焼く
この調理法は、特に肉類・魚類を調理するのに適しており、食材そのものの味を引き立たせることが出来ます。しかも、焼き加減によって味も風味も変わってきますから、様々な味を生み出すことができます。
●炒める
フライパンなどに油を敷き、食材をかき混ぜながら“短時間”で加熱することを言います。
「焼く」と同様、加熱することで食材の風味を変えることですが、こちらは野菜から肉まで幅広い材料を扱っています。高温で一気に加熱していきますから、食材の持つ栄養素を壊しづらいです。総じて焼くのに比べて、野菜を調理するのに向いている調理法と言えます。
他の調理法と違って、「炒める」は“短時間”で調理することが求められますから、事前にいくつかの準備が必要となります。魚や肉にはあらかじめ下味を付けておき、炒めている最中に加える調味料も用意しておかなければなりません。
●揚げる
「炒める」に対し、より多くの油を使うのが「揚げる」という調理法です。高温の油の中で、食材を短時間で加熱していきます。
150~200℃の油の中で食材を熱しますから、食材の栄養素は断然壊れにくく、肉・野菜問わず柔らかく仕上げることが出来ます。
●蒸す
「蒸す」とは、水を熱して水蒸気を作り、その水蒸気の熱を使って食材を加熱する調理法です。最大の特徴は“食材が型崩れしない”ことです。また、「煮る」ことと似て、硬い食材でも柔らかくすることが出来る、という特徴も持ちます。

 

☑ 日本料理の特徴

日本料理の食べ物には、多くの対比が見られます。
調味料では、濃口と淡口(醤油)、赤と白(味噌)など、また同じ食材でも、豆腐と油揚げ、煎茶と番茶、浅漬けや古漬けなど、様々です。飲み物においても、辛口と甘口(日本酒)、乙類と甲類(焼酎)などがあります。
同じ大豆から作られるものでも、豆腐は色が‘淡’で軽く、一方油揚げは‘濃’で重さを感じます。
味噌汁とお吸い物でも、味噌汁は重みのある味噌味、お吸い物は軽い塩味で表現できます。
また、さつま揚げとはんぺんのように、魚のすり身を調味して揚げ、弾力と歯応えを強調したさつま揚げの‘重さ’に対し、魚のすり身にヤマノイモや片栗粉を加えて気泡性を出すはんぺんの‘軽さ’の対比があります。
ただの混じりけのないお湯さえも白湯(さゆ)と呼び、水の量を多くして米を炊いたときの糊状のものを重湯(おもゆ)と呼び区別しています。

 

☑ まとめ

人間以外の生物・動物は、食材をそのまま生で何でも食べていますが、人間は食べるといることを本能からくる欲求を満たすとともに、おいしいもので幸せを感じる娯楽の一つとしても楽しんでいるのです。
中でも、日本人の食は、同じ食材や料理の中に互いを対比させ、重さと軽さの両方で食べる特徴があり、食材、調理方法からだけでも、粋な和食の奥深さを感じとることができるでしょう。

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