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発酵食品の種類と工程そして効果を知ればそのすごさが分かる。

 

みそや納豆、ヨーグルトなどの発酵食品といえば、私たちのカラダには良い影響をもたらしてくれる食品としてすっかり定着していますが、発酵食品には、他にどんなものがあり、また発酵の工程とはどんなものなのでしょうか。
今回は、発酵食品について纏めてご紹介します。

 

 

☑ 発行食品の起源

発酵食品の誕生は、今から4000~5000年前程になると言われています。
ある遊牧民が、数日間飲んでいなかったミルクを飲もうとした時、ミルクが入っている容器を見たら透明な液体と白い固まりにミルクが分かれていたのです。
遊牧民はおそるおそる白い固まりを食べてみたところ、酸味があるが美味しかったそうです。
これが今で言うヨーグルトの原型の様な物だったと言われており、発酵食品の誕生の起源となったのではないかと伝えられています。

 

☑ 発酵と腐敗の違いとは

発酵食品の発酵とは食べ物が腐ってしまった副産物とも言われます。
食べ物は腐ってしまって食べられなくなったものと、見た目やニオイは腐ったように見えますが、実は食べる事が出来るものとがあるわけですが、この区分け、大昔の人は実際におそるおそる食べてみて、カラダに良いか悪いかを判断してきたのだと言われています。
発酵と腐敗はどのように分かれるのかというと、発酵食品にも腐敗している食べ物にも微生物が存在しています。
微生物は自分たちが生きるため食べ物が必要になります。
そこで食べ物に付着した微生物は食べ物が持っている成分を分解していき、必要な栄養分を摂取したり、全く新しい食べ物を作り出したりします。
こうして微生物の働きによって、醗酵と腐敗とに分かれるのです。
発酵は食べ物の成分を他の栄養価がある成分に変化させ、微生物が作り出した酵素で私たちのカラダにとってよいもの、そして旨みがある食べ物を作り出してくれます。
一方、腐敗とは、食べ物の中の成分が分解されてアンモニアや硫化水素と言った腐敗臭を出し、最終的には食べられない物を作り出してしまうことです。
発酵と腐敗の違いは、微生物の種類によっても変わってきますし、食べ物が本来持っている成分や置かれている環境など様々な要因が複雑に絡み合った結果なのです。

 

☑ 発酵食品の種類

日本では昔から味噌や醤油、納豆に日本酒など、さまざまな発酵食品が生み出され受け継がれてきました。
西洋にはワインやパン、ビールやパンなどのような発酵食品があり、現代では日本を含む世界中の人たちに親しまれています。
タイ料理で比較的使用されているナンプラーは、魚を発酵させて作った「魚醤(ぎょしょう)」です。
また、日本でもデザートとして人気が出て広まった「ナタ・デ・ココ」は、もともとフィリピンの「ルソン島」というところで作られていた発酵食品です。
中国料理の一つであるザーサイは、中国の漬物で、南部の四川省で生まれた発酵食品です。

 

☑ 発行食品のメリット

発酵食品には、生きた菌がたくさん含まれていますが、主な菌は下記の通りです。
●乳酸菌
便秘や肌荒れを引き起こす悪玉菌を抑制し、腸内環境を整え免疫力を高めてくれます。ヨーグルト、チーズ、漬物、納豆などがあり、漬物1gあたりに、なんと数千から1億個の乳酸菌が存在していると言われています。
●麹菌
必須アミノ酸、ビタミンB群を多く含み血行を促進して代謝を上げる作用が高くダイエットにはおすすめの食品と言われています。特に甘酒は吸収率が90%と高いため「飲む点滴」と呼ばれています。
●酢酸菌
豊富なクエン酸が腸内環境を整えるため便秘解消・食欲増進・血液をサラサラにする効果があると言われています。
●酵母菌
腸内で善玉菌として働き、悪玉菌と戦って腸内環境を整えてくれます。また糖分やアルコールをガスに分解してくれ、カロリーの吸収を抑えられるそうです。「納豆菌」も善玉菌を助け、腸内環境を整えてくれます。

人間の腸内には約100兆個の菌が住んでいます。生まれたての赤ちゃんの腸は99%が善玉菌に占められていますが、加齢とともに悪玉菌が増えていきます。肉中心の偏った食生活をすると悪玉菌が優勢となり有毒物質を発生させてしまいます。

 

☑ 発酵食品を作ってみよう

仕込み時間は1週間ほどで簡単につくれる発酵調味料の作り方をご紹介します。
料理の他、漬け床にも役立ちます。
●塩麹の作り方
生米麹100g、塩30g、水1/0カップを瓶に入れてよく振ります。1日1回振り続け、1週間ほどで完成です。
●醤油麹の作り方
生米麹100g、濃口醤油1/0カップを瓶にいれ、塩麹と同様に1日1回振り、1週間ほどで完成です。
●甘酒の作り方
生米麹200g、水2カップを炊飯器に入れてよく混ぜ、蓋を開けたまま布をかけて4時間保温すれば出来上がりです。
●麹ごまだれ
甘酒、練りゴマ、醤油、酢、炒りごま、生姜すりおろしを混ぜれば完成です。冷奴にかけたり、煮魚の味付けにも合います。
●だし味噌
味噌に、細かく刻んだ昆布やカツオ節を混ぜておきます。1週間ほど漬ければ、だしの味がしみた味噌が出来上がりです。お湯をかけるだけで味噌汁ができます。

 

☑ まとめ

人間にとって有用な食べ物と変化することが「発酵」で、もとの食材にはない美味しさや、有効成分を加えて栄養価を高くし、保存性が良くなったものが「発酵食品」です。「発酵」という知恵から学ぶものはたくさんありますが、そんな発酵食品を自分でも作ってみてはいかがでしょうか。

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