Environment mind

税金って何だろう?

私たちは、スーパーマーケットで買い物をしたり、レストランで食事をしたとき、その代金の支払を通じて「消費税」を負担 しています。また、働いている人は、所得に応じて「所得税」を納めています。
そのほかにもいろいろな税金がありますが、それぞれの税金はどのようなしくみになっているのでしょうか。主な税金を取り上げて、詳しくみてみましょう。

☑ 税の種類と分類

●消費税・地方消費税
「消費税」とは、商品の販売やサービスの提供に対してかかる税金です。
消費一般に広く公平に負担を求める間接税で、最終的には商品を消費したり、サービスの提供を受ける消費者が負担し、事業者が納税します。事業者は、消費者等から受け取った消費税等と、商品などの仕入れ(買い入れ)のときに支払った消費税等との差額を納税することになります。

●所得税
「所得税」とは、個人の所得(収入から経費などを引いたもの)にかかる税金です。
会社で給料をもらっている人や自分で商売をして利益を得ている人にかかります。
所得税は、1年間のすべての所得からいろいろな所得控除(その人の状況に応じて税負担を調整するもの)を差し引いた残りの所得(課税所得)に税率をかけて計算します。
税率は、所得が多くなるほど段階的に高くなる累進税率となっており、支払い能力に応じて公平に税を負担するしくみになっています。
会社に勤めている人と自分で商売をしている人では、納税方法が異なります。
勤務先の会社が、あらかじめ本人の給料から所得税を差し引いて、本人に代わってまとめて納税することを源泉徴収といいます。
1年間の所得と税額を自分で計算し、税務署に申告することを確定申告といいます。

●住民税(道府県民税・市町村民税)
道府県民税と市町村民税は合わせて「住民税」と呼ばれており、住民がそれぞれ住んでいる(会社がある)都道府県や市区町村に納める税金です。
「住民税」は住民(や会社)が平等に負担する金額(均等割)と、前年の所得の額に応じて負担する金額(所得割)から成り立っています。
「住民税」も所得税と同じように、会社に勤めている人と、自分で商売をしている人で、納税方法が異なります。

●法人税
株式会社など法人の所得にかかる税金のことを「法人税」といいます。
会社は決算期ごとにその期間の所得をもとに税額を計算して申告・納税をします。

●酒税
日本酒やビール、ウイスキーなどのお酒にかかる税金のことを「酒税」といいます。
アルコール分1度以上の飲料が対象になり、税額はお酒の種類やアルコール度数によって細かく決められています。
製造者または輸入者が納税しますが、価格に含まれているため、負担しているのは消費者です。

●たばこ税・たばこ特別税
紙巻たばこやパイプたばこなど、各種のたばこにかかる税金のことを「たばこ税・たばこ特別税」といいます。
製造者または輸入者が納税しますが、価格に含まれているため、負担しているのは消費者です。
たばこ税は国に納められる国税と、地方に納められる地方税に分けられます。

●関税
外国から日本に品物を輸入しようとする場合、その輸入品にかかる税金のことを「関税」といい、原則として貨物の輸入者が納めます。
揮発油税・自動車税・自動車重量税などがありますが、自動車に関連する税金には、揮発油税(ガソリンにかかる税金)や、自動車税(自動車を持っている人にかかる税金、自動車重量税(自動車の重さに応じてかかる税金)などがあります。

 

☑ 税金の分類方法

税金には3とおりの分類方法があります。
1. 「どこに納めるかによる分類」
国に納める税を「国税」、地方公共団体に納める税を「地方税」といい、地方税はさらに「道府県税」と「市町村税」に分けられます。
2. 「納め方による分類」
税を納める人と負担する人が同じ税金を「直接税」といい、税を納める人と負担する人が異なるものを「間接税」といいます。たとえば、消費税は、消費者が負担し、事業者が納めるため、間接税に分類されます。
3. 「何に対して課税するかによる分類」
所得税や法人税のように、個人や会社の所得に対して課税することを「所得課税」といいます。また消費税や酒税、たばこ税など物品の消費やサービスの提供などに対して課税することを「消費課税」、相続税や固定資産税など資産などに対して課税することを「資産課税等」といいます。

 

☑ 日本の経済社会の変化

日本の経済社会は大きく変化してきています。少子・高齢化の進展だけでなく、家族構成や個人の働き方も変わってきています。
日本の人口は2004年をピークに減少し、21世紀半ばには2.5人に1人が65歳以上の高齢者となる超高齢化社会になるといわれています。
また、日本の労働力人口は減少してきています。労働力人口が減少している理由としては、生まれてくる子どもの数が減り続けていることや、若い人たちの中でも働かない人が増えていることが考えられます。さらに働き方も多様化し、会社に勤める正社員ではないフリーターやパートとして働く人の数が増加しています。
そして、独身の人や、夫婦二人だけの家庭が増えるなど家族構成も変化しています。
これらの変化は、これからの日本の社会や税のあり方を考えていくうえでとても重要なことです。

 

☑ まとめ

これからの日本では少子・高齢化や厳しい財政状況を踏まえ、豊かで安心して暮らせるための社会保障制度や持続可能な財政構造の構築が必要になります。
そのためには、税制面では、所得・消費・資産などの多様な租税ベースに適切な負担を求めつつ、必要な公的サービスを安定的に支える歳入構造の構築が重要となります。
豊かで安心して暮らせる未来のためには、公平な租税負担と給付の関係について、私たち一人ひとりが考えることが大切です。

-Environment, mind