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逆輸入されるようになったジーンズ

2017/10/07

 

近年、益々ファッションが世界中で注目されていく中で、有名モデル達がラフなジーンズを着こなして壇上を我が物顔で歩いている姿も珍しくありません。

安価なものからプレミアム付きの高額なものまで、様々な種類のジーンズが世に出回っていますが、今回は、デニム、ジーンズの起源や用途、長所等、様々な視点から纏めてご紹介します。

 

 

☑ 「デニム」「ジーンズ」の定義

最近では、若年層を中心にジーンズのことを指してデニムという表現が広がってきていますが、デニムとジーンズの最も根本的な違いは、デニムは「生地素材」であり、ジーンズは「製品」ということです。

「デニム」とは、ジーンズなどに使われる厚手の綿の綾織物のこと指します。

このデニム生地は、タテ糸をインディゴとよばれる染料で染色し、ヨコ糸を染色加工をしていない糸で綾織りにした、素材が綿の厚い布で、生地の裏側に白いヨコ糸が多く出るのが特徴です。

「ジーンズ」とは、一般的には、デニムなどの厚手の生地素材を使ったパンツのことを差しますが、鞄などにも使用されています。

 

☑ ジーンズの起源

ゴールドラッシュに湧く北米の鉱山で働く多くの鉱夫の悩みの一つに、作業中にズボンがすぐに掏り切れてしまうことがありました。

1870年、仕立て屋のヤコブ・デービスは、既に設立されていたリーバイス社のリーバイ・ストラウスから仕入れたキャンバス生地を用いて銅リベットでポケットの両端を補強した仕事用パンツを発売し、これが鉱夫らの好評を博しました。

類似品が出回ることを危惧したヤコブは、このリベット補強済みパンツの特許を取得しようと試みましたが、必要な資金が無く、権利を折半するという条件でリーバイ・ストラウス社に特許申請を依頼し、特許申請は1873年に受理され、この「リベット補強済みパンツ」はリーバイ・ストラウス社製の製品として製造販売されました。

このパンツがジーンズの原型であり、鉱夫らの「作業着」こそが、現在のジーンズへと繋がっているのです。

 

 

☑ 進化するジーンズ

1890年に「リベット補強済みパンツ」の特許は期限が切れ、そのアイディアは社会の共有財産となり、誰でもそれを製造してよい状態となり、多くの会社がリベット補強のパンツの製造・販売を開始しました。

ジーンズの特徴のひとつである (特に擦り切れやすい箇所である)ポケット端を補強するリベットボタンは、古くは銅製でしたが、今では真鍮製が多いのが特徴です。

その後、素材はキャンバス生地からインディゴ染めのデニム生地へと変遷し、縫製技術の進化等により1940年代には現在のジーンズとほぼ同様のデザインとなりました。

 

☑ 国内の50%以上のシェアを占めているカイハラデニム

日本のジーンズ生産量1位の地域は、岡山県にあるカイハラデニムです。

ブルーデニムの分野で国内の50%以上のシェアを占めているだけに留まらず、輸出においても国内トップのシェアを占めています。

海外の供給先はデニム先進国であるアメリカ、ヨーロッパ、東南アジアなど、世界20数カ国に及んでおり、カイハラデニムは、海外でもよく知られており、その信頼も厚く、とくにナショナルブランド、プレミアゾーンと呼ばれる高級ジーンズブランドの素材として評価を受けている、世界のトップクラスのデニムメーカーです。

 

☑ カイハラのこだわり

カイハラデニムが世界のデニムメーカーとして現在の地位を築いている理由に、創業より徹底して品質にこだわり続けたことが大いに考えられています。

素材メーカーとして、自然との共生が大きな使命と考えているカイハラは、天然のコットンとインディゴの素材感を十分に醸し出すことにより、高品質を生みだしています。 同時に、生産活動の中で生じる水質、大気等の自然への影響も充分に配慮した環境保全も重要と考えており、例えば排水処理においては、公的基準を大きく超える厳しい自主環境基準を設定し、最新の排水処理施設が完備され、専門スタッフが24時間体制で管理しながら水質の向上に努めています。 その他、地域社会との協調を図り、自然や社会に優しい企業活動が取り組まれています。

 

☑ カイハラの藍染の技術

カイハラが最もこだわっているものは、「藍」(インディゴ)染料です。

コットンとの組み合わせや染め方の工夫でデニムの可能性は無限に広がりますが、カイハラデニムが世界で愛されている背景には、幾度も繰り返される「染め」を経て生まれる、カイハラならではの深い味わいや力強い藍染のノウハウがあります。 商品開発力、タイムリー、継続的な商品提案、イメージ通りのデニムを創りだすための「営業」「技術」「生産」の3部門が一体となり、それぞれのノウハウを活かして開発されるデニムサンプルは年間700〜800件にも及び、その中から厳選された最良のデニムだけが商品化されています。

 

☑ 国内初の一貫生産体制

最高のクオリティを実現するために、早くから万全の製造・品質管理体制づくりに力を注いできたカイハラは、デニムの生産、紡績から整理加工までを社内で一貫生産する体制を、国内で初めて実現させました。 デニム製造の全工程を一社で行うことにより、高品質なデニムを安定的に供給することはもちろん、製造コストの削減を可能にしました。

カイハラスペックとも言うべき自社品質基準を設け、レベルの高い品質管理を実践することで、繊維製品にも安全基準を設け、輸入品に対して厳しい検査を実施している欧米市場でも高い評価を得られています。 トップデニムサプライヤーならではの万全の管理体制が、世界ブランド・カイハラを支えているのです。

 

☑ まとめ

鉱夫らの「作業着」から始まり、その後、マーロン・ブランドやジェームズ・ディーンなどが映画で着用するようになり、彼らの影響も多大に受けて世界的にファッションとして普及していったジーンズですが、当時米国では「反抗的な若者の象徴」と見なされていました。

しかし、現在ではカジュアルウェアとして着用されることが一般的となり、当初の象徴的な意味が意識されることはほとんどなくなり、技術、品質ともに発展し続けています。

米国から流行り出した世界的なファッション業界に、日本の一企業がトップクラスに君臨し、その商品が米国に逆輸入されているのは、日本人として誇らしいことでもあり、また興味深くもあります。

 

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